プロセッコカクテル(2024 Prosecco DOC monthly #7)
プロセッコの楽しみ方は自由だ。ワインであるにもかかわらず自由に創造できるのが、プロセッコの魅力の一つ。桃とスパークリングワインのカクテルとして広く知られる「ベリーニ」はプロセッコがベースであり、ヴェネツィアのハリーズ・バーで、1948 年に当時のオーナー、ジュゼッペ・チプリアーニ氏(1900- 1980)がルネッサンス期の画家、ジョヴァンニ・ベリーニの展覧会の際に創作したと言われている。また、イチゴを用いた「ロッシーニ」、ブドウと合わせる「ティッツィアーノ」など、クラシックカクテルにはプロセッコベースのものが各種存在する。
生産者や協会がカクテルに対してポジティブな姿勢を示すのも、プロセッコDOCの特徴である。店舗で仕入れているフルーツや野菜、ハーブやスパイスを使ってカクテルにしてみることをぜひ勧めたい。さらにその価値を高めるなら、おのおのの地域性が現れる素材や器づかい、ネーミングなどの工夫を施して、ドリンクメニューはより親しみやすく彩られていくはずだ。
ここでは、MARTINOTTI Prosecco Bar & Caffèが今年創作した新しいプロセッコカクテルを抜粋して紹介する。
ベリーニ ズバリアート | Bellini Sbagliato
「ズバリアート」とは“間違えている”を意味するイタリア語。語意から転じてアレンジしたレシピの接頭辞として用いられ、ベースのジンをプロセッコに置き換え「ネグローニ ズバリアート」は、ネグローニのアレンジカクテル群「ネグローニ ファミリー」の中でも有名な作品です。
さてこちらは、ベリーニをアレンジしたカクテル。桃とバラ、ジンの風味を綴じ込んだクリームとプロセッコをそれぞれにお楽しみいただける一杯です。
Recipe 15ml ドライジン / 40ml ピーチピューレ / 10ml ローズシロップ / 20ml フレッシュクリーム / 60ml プロセッコDOC
Preparation エスプーマ / Glass フルートグラスなど / Garnish なし
フルーツトマト、桃、パプリカとプロセッコのガスパチョ | Gazpacho Fizz
天ぷらと会席料理のデザートで供されたガスパチョに、酔客がプロセッコをかけたことで場がさらに盛り上がったという逸話をもとにレシピ化した一杯。
“トマト側”から見ると「ブラディメアリー」の派生であり、“桃”の側面のから見ると「ベリーニ」の亜種と見ることもできます。
プロセッコは前菜からデザートまで、幅広く調和することを再認識できるカクテルです。
Recipe 30ml フルーツトマトジュース / 30ml パプリカジュース / 30ml ピーチジュース / 80ml プロセッコDOC / 1tsp オリーブオイル / 少々 黒コショウ
Preparation ブレンド / Glass オールドファッションドグラス / Garnish サクランボとハーブを飾る
日向夏とジャスミンのサマースプリッツ | Summer Solstice Spritz
バーボンがベースで競馬の祭典「ケンタッキーダービー」の公式カクテルでもある「ミントジュレップ」は、それに前後して「シャンパンジュレップ」というカクテルも存在し、ジュレップカクテルの一つのスタンダードでした。
プロセッコによるジュレップは、ブランデーによる上質な味わいとプロセッコの爽快さが楽しい一杯。
プロセッコのアイデンティティで、主たるブドウ品種である「グレーラ」の名とともにお見知りおきください。
Recipe 15ml 自家製日向夏シロップ / 15ml 自家製ジャスミーティーシロップ / 100ml プロセッコDOC
Preparation ビルド / Glass ワイングラス / Garnish 乾燥させた日向夏のスライス
生ハムとメロンの完璧なアペリティーヴォスプリッツ | Perfect Appetizer
果物と塩漬けの肉を一緒に食べる習慣は、古代ローマ時代から一般的な健康法として存在していたようです。ここから派生したと思しき「メロンと生ハム」は現代イタリア料理の父と言われるペレグリーノ・アルトゥージによってレシピが記され、1960 年代頃から人気が再燃。イタリアの夏の食卓の定番に。
ビタミンに食物繊維、タンパク質がたっぷりでヘルシーであるとも考えられたアペリティーヴォをプロセッコカクテルにした一杯。ウオツカはローストした生ハムを浸漬させた後に冷凍、濾過して風味づけします。
Recipe 45ml 生ハムインフュージョンウオツカ / 45ml メロンジュース / 5ml ローズシロップ / 60ml プロセッコDOC
Preparation シェーク / Glass オールドファッションドグラス / Garnish ローズポプリ
ジョヴァンニ コリンズ | Giovanni Collins
カクテル名はジュネヴァ(オランダジン)をベースにレモンと砂糖、炭酸で割るカクテル「ジョン コリンズ」にさかのぼり、後にジンベースのレシピは「トム コリンズ」と呼び名が変わりました。
元の「ジョン コリンズ」はウイスキーをベースにしたものへと変遷があるカクテル。割り材をプロセッコに置き換えるこの一杯は、カクテル名「ジョン」のイタリア人名「ジョヴァンニ」としています。
Recipe 45ml スコッチウイスキー / 15ml レモンジュース / 10ml ジンジャーシロップ / 60ml プロセッコDOC
Preparation シェーク / Glass コリンズグラスまたはワイングラス / Garnish / レモンスライス、ミント、乾燥させたショウガなど
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