FOODEX JAPAN2023開催
フランス初出展 注目のワイナリーを紹介

2023年3月に東京ビッグサイトにてFOODEX JAPAN2023が開催され、フランスブースを訪れた。今年初出展となり話題を集めたフランスの注目ワイナリーをご紹介しよう。

ペトリュスの一族が愛するマルセイユ発
マースワインステーション MARS WINE STATION

マースワインステーョンは、ふたつの部門(ソムリエとサービス)でMOF(フランス国家最優秀職人章)に輝く著名なソムリエ、アントワーヌ・ペトリュス氏(写真)がスーパーバイザーを務めるワイナリー。温暖で雨の少ないマルセイユの気候風土と文化にほれ込み、マルセイユに2020年にワイナリーを設立。栽培はビオロジックで、SO2を一切使わない自然派のワインを造る。畑は標高300mと高く、花崗岩土壌であることから、酸がフレッシュでピュアな果実感が魅力。また本人の故郷のボルドーが誇るメルロを大切にしつつ、赤ワインはシラー、グルナッシュ、白ワインはルーサンヌ、、マルサンヌ、ヴィオニエなどの地中海性葡萄品種を巧みにブレンドしている。

  • ルーサンヌ&ヴィオニエ2020 現地価格3€
  • シラー&グルナッシュ2020 現地価格3€
  • メルロ2020 20%オーク樽を使用。果実味とのバランスに優れフランスでの販売価格5€
  • ルーサンヌ2020 パリの星付きレストランにも採用。樽熟成18カ月によりしっかりとした骨格と果実の凝縮感、バニラやバターのニュアンスをもつ気品ある白ワイン。現地価格8€

ナチュラルワインの第一人者が造る
シャトー・ピュエシュ・ルドン Chateau PUECH REDON

南フランスのオクシタニー地域ガール県の小さく美しい村ピュエシュ・ルドンに1980年に設立。400haの土地の52haで葡萄栽培を行い、18haにて農薬や化学肥料無添加のビオロジック農法を実践。近年ビィオディナミに転換している。

醸造家のシリル・キュッシュさんは「樹齢7年~30年までの葡萄を栽培。ナチュラルワインの生産は簡単ではありません。土壌をよく理解して葡萄にではなく土に栄養を与えることが重要。毎日畑をつぶさに観察して歩きます。病害に対しても農薬を使わないためには、いつも先回りして葡萄をしっかり観察。ベト病や黒腐病といった病気を避けてゆきます」と語る。

畑では生物多様性のために動植物を尊重し保護に取り組む。敷地内には40年前からミツバチの巣箱を置き受粉を行い生物多様性を促している。シリルさんは「目指すのはフルーティで軽やかで、飲みやすく何よりも繊細なワイン。手摘みで収穫し、葡萄の皮に自然に存在している天然酵母で醸造。添加物は一切加えず、濾過もほとんど行わないで、ワインのテロワールとポテンシャルを表現している」と笑顔で語った。

  • APPARENTE2020赤 サンソー85、ムールヴェードル8,グルナッシュ7%
  • POUR DE VRAI2022白 ヴィオニエ100%
  • SENSITIVE2021 オレンジ グルナッシュ・ブラン40、ヴィオニエ30、ルーサンヌ25%

フランス領グアドループ島で造る
繊細でエレガントなラム・ボローニュ RHUM BOLOGNE

フランス領西インド諸島のグアドループ島で最古の蒸留所をもつラム・ボローニュ。約100haのサトウキビ畑を所有。ギリギリまで抑えた低収量と火山性土壌のテロワールによって非常に香り高くも繊細な味わいのラムを生み出す。35名の従業員を有する家族経営で収穫はすべて手で刈り取り、発酵は48時間、柱状蒸留塔で蒸留され75%のアルコールを得て65%に加水調整。木樽にて熟成する。


3家族が力を合わせ複雑性と豊かなアロマ
シャンパーニュ・エステルラン CHAMPAGNE ESTERLIN

1948年にエペルネの南に位置するマンシーで3つの家族が、シャンパーニュの生産を開始した。協同組合ゆえの強みは、葡萄の調達力と品質管理能力の高さであるという。醸造担当のアレクシーさんは「葡萄の調達が110haの畑と52のクリュでなされるため、アサンブラージュの多様性が実現でき、最高の区画を慎重に選ぶこともできます。マロラクティック発酵を行わないことによりフレッシュさと豊かなミネラル感が魅力です」と語った。熟成は60カ月以上と長期に行い、豊かなアロマと複雑性を促す。リザーブワインはソレラシステムにて管理し、豊かで複雑なボディをもたらしている。


バスク地方が誇る飲料をオリジナル開発エガリEGARRI

エガリはバスク語で”のどの乾き”を意味し、バスク地方に特化したワイン、ラム、ビール、シードルなどのオリジナル飲料を生産販売する。「飲料においても古い歴史をもち、独特のガストロノミーと文化をもつバスク地方。そのダイナミックで豊かな個性を映し出し、職人技を伝える製品を生み出している」。ワインはタナとカベルネ・フランをブレンドしたAOC lroulèguy(イルレギ)を試飲したが、野ばら、すみれの芳香とチャーミングな果実感とフレッシュな酸が残り非常に美味しかった。ラムは濃厚かつ力強くもエレガントで香り高く余韻がとても美しかった。

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