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多彩でユニークで高品質なプレミアムポルトガルワインに注目
「プレミアムポルトガルワインディナー@野田」開催

野田雄紀シェフとポルトガル投資貿易振興庁代表のミゲル・マリェイロ・ガルシアさん

 ポルトガルと日本が交流480周年となる記念の年を迎えた今年。ポルトガル投資貿易振興庁は、「プレミアムポルトガルワインプレスディナー@野田」のイベントを開催。明治神宮前のレストラン「野田」の野田雄紀シェフが、ポルトガルの食材にインスパイアされた特別なメニューを披露。それに合わせ、ポルトガルワインの日本における第一人者である別府岳則氏が、ピコ島、ドウロ、アンフォラなどの、貴重な9種のプレミアムワインをマリアージュして会場をわかせた。

250種類以上の固有品種 ブレンドだけでなく単一品種でも秀逸なワインが

 ポルトガルのワイン造りの歴史は古く、その起源はローマ時代にまでさかのぼるといわれる。国土が南北に長く、気候や土壌が多彩なポルトガルは、ワインも多彩で個性豊かなワインの宝庫。最大の特徴は、固有品種の多さ。固有の品種は250種類以上もあり、1ha当たりの固有品種数としては世界一である。固有品種をブレンドして多彩なワインを生み出すが、近年では固有品種100%で優れたワインを造る生産者も増えている。

 

ピコ島、ドウロなどユネスコ世界遺産のワイン産地、アンフォラもDOPに認定

 今回のイベントでもバガやトゥーリガ・ナショナルやティンタ・カルヴァーリャなどの単一品種100%の高価なプレミアムワインが披露され(といっても日本価格で5000円~10000円までのコストーパフォーマンスの高さ)その質の高さと豊かな個性に魅了された。現在31ものDOCが存在。今回はポルトガルが誇るブドウ産地でユネスコ世界文化遺産にも認定されているポルトやピコ島のDOCワイン、アンフォラのワインをDOCにも認定しているアレンテージョのターリャワインなど貴重なワインも紹介された。
 また食も宝庫なポルトガル。野田シェフが地元のチーズや調味料を使ってワインとのマリアージュも披露した。当日試飲した以下のワインは、現在日本にもインポートされているので、ぜひ一度お楽しみいただきたい。

ポルトガルワインとカニ味噌風コロッケ
ポルトガルワインに合わせた料理 マイタケと白トリュフを使った料理
ポルトガルワインに合わせた野田のお料理
前菜ポルトガルチーズを使った甘くないチーズケーキ

当日試飲のプレミアムポルトガルワイン

DOP Tavora Valosa
Murganheira / Touriga Nacional Bruto 2011 (木下インターナショナル)

 ポルトガル北部のスペイン国境に近いDOPタヴォーラ・エ・ヴァローサで造られたトゥーリガナショナル100%のスパークリングワイン。瓶内2次発酵製法で造られ瓶内で54カ月熟成。長い熟成から強い旨味と高貴な香り、クリーミィな泡立ちが心地よく余韻も非常に長くエレガント。ポルトガル中部のセーラのチーズを使った甘くないチーズケーキと見事にマリアージュされた。

DOP Pico Adega do Vulcão / Pé do Monte Reserva 2021(ラシーヌ)

 ポルトガル南部のアソーレス諸島のピコ島から生まれたワイン。アリント90%、ヴェルデホ10%。樹齢100年近い古木の葡萄から生まれ、ミネラルが豊かで海風の影響で心地よい塩味も感じる。ピコ島は急峻な斜面で葡萄が育てられ、海風から葡萄を守るCurraisクレイスと呼ばれる溶岩を積み上げた石垣が脈々と続きその長さは地球一週分にもなるという。15世紀以来続く農業文化と特異な景観が、2004年ユネスコ世界遺産に登録された。

DOP Pico Tito’s Adega / A Cerca dos Frades Terrantez do Pico 2020(ラシーヌ

同じくピコ島が誇る単一品種の白ワイン。大西洋の影響を受けた西向き斜面の畑の影響を受けミネラル感が豊かで骨格もしっかりとした芳醇なワイン。合わせた料理はオリーブとドライトマトを出汁にしたタコのしゃぶしゃぶに、ルッコラや春菊や壬生菜を沿えた料理。ワインのミネラル感と深い味わいが見事にマッチしていた。

DOP Alentejo Mestre Daniel / Talha VII – Cuvee Japan 2021(ポルトガルトレード)

ポルトガルはアンフォラを使ったワインの歴史が2000年以上もあり、リスボンの東側に位置するアレンテージョではアンフォラを使ったワインがDOP のVinha de Talhaに認定されている。このワインは日本向けに特別に一樽まとめて輸入したもの。タンニンが豊かだが滑らか、豊かな果実味と凝縮感があり心地よい余韻が長く続く。同じくアレンテージョのヤギのチーズと、白子のムニエルを使った料理と合わせて。

 DOP Bairrada Luis Pato / Vinha Barrosa 2017(木下インターナショナル)

松林に囲まれたバローサ葡萄園で生まれ、ここは粘土石灰質土壌で樹齢80本のバガの葡萄が5800本栽培されている貴重なワイン。ステンレスタンクで発酵後、フレンチオークの樽100%で12カ月熟成。ノンフィルターでボトリング。古木由来のしなやかで深みある味わい。まろやかな味わいの中にミンティな風味が感じられる。

DOP Alentejo Quinta do Paral / Vinhas Velhas Branco 2018(ポルトガルトレード)

ルイヴィトン傘下のリモワが手掛けるワイナリー。古木が残る貴重なオールド・ヴィンヤードを購入し2017年に設立された。ポルトガル南部のアレンテージョは暑くて乾燥していて葡萄の収穫は8月となるのでワインを造る技術も難しいが、このワインはフランスのオーク樽で9カ月熟成、樽由来のリッチなクリーム感、豊かなミネラル、トロピカルフルーツのアロマが見事に調和してエレガント。葡萄品種はアンタン・ヴァズとペルンのブレンド。

DOP Alentejo Fitapreta / Tinta Carvalha 2020(ヴィレッジセラーズ)
フィタプレタ・ティンタ・カルヴァーリャ

アレンテージョで長く栽培されてきた葡萄品種がティンタ・カルヴァーリャだが、単一品種100%で造られるのはこのワインが初めて。生産者のアントニオ・マサーニャは、アレンテージョやピコなどの比較的注目されて来なかった産地を発掘。このワインもティンタ・カルヴァーリャという超マイナー品種からスムースで旨味に溢れた美しいワインを生み出している。樹齢50年の古木の葡萄を使用。ポルトガルはキノコの名産地でキノコとワインを合わせて楽しむことが多いという。当日の料理もマイタケと白トリュフを使ったソースと好相性だった。

DOP Douro Quinta do Javali / Clos Fonte do Santo Cherry Cap 2020(Recife)

樹齢90年以上の古木からできた、30種類以上の葡萄をフィールドブレンドした赤ワイン。とても暑く乾燥するドウロスペリオールに位置する標高500mのシスト土壌。葡萄はラガールで足踏みしてつぶし、ステンレスと新樽のフレンチオークで自然発酵、新樽、古樽のフレンチオークで20カ月熟成。上品なタンニン、エレガントで調和がとれたシルキーなボディ。高品質の樽の香りとワインのフルーティさが見事に調和する。料理はポルトガルならではの組み合わせ、あさりと豚肉を一緒に煮込むアレンテージョ風煮込み。そこにマスッサといわれる発酵調味料をかけたもの。

DOP Douro Quinta do Crasto / Touriga Nacional 2018(Row&Co.)

ドウロ・ボーイズの一員であるキンタ・ド・クラストのトーリガ・ナショナル100%の辛口赤ワイン。「ドウロ・ボーイズ」とは、ドウロを甘口のポートだけに頼らない高品質スティルワインに変革することを目指してドウロ地区の5社が立ち上げた団体。花崗岩でできたラガールと呼ばれる開放槽を使い、足踏み圧搾して、ポルトガルが誇るトゥーリガ・ナショナル100%使用。力強くも洗練され気品と風格を備えた味わい。農薬や化学肥料を使用しないオーガニックワイン。

主催:ポルトガル投資貿易振興庁

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