品質を保護することの意義(2024 Prosecco DOC monthly #3)

世界的な拡大を続けるプロセッコ市場において、そのキャンペーンを司る協会の取り組みは多岐にわたる。各国にプロセッコを知らしめる一方で、協会はその名の通りプロセッコDOCを保護する役割を担っている。その一つに、模倣品や不適切な商標への監視と排除がある。

PROSECCO ON TAP? THIS IS NOT PROSECCO

プロセッコ DOC 協会は昨年末から、英国で「THIS IS NOT PROSECCO(これはプロセッコではありません)キャンペーン」を実施した。

ロンドン全域、特にロンドンの地下鉄で880枚を超えるポスターが掲示されたこのキャンペーンは、生ビールのようなサーバーから提供する樽入りのドラフトワインを「プロセッコ」と呼んで提供・販売することの抑止であり、本来のプロセッコを好む消費者を保護することを目的としている。

ロンドン市内に掲示された「THIS IS NOT PROSECCO」キャンペーンのポスター

「プロセッコはボトルでのみ販売でき、プロセッコと呼ばれるドラフトワインや缶入りワインを販売することは詐欺行為だと知っておくことが重要です」と、プロセッコ DOC 協会のステファノ・ザネッテ会長は述べている。

協会の品質保護部門には、各国や地方自治体と連携してプロセッコではないワインへの「プロセッコ」という用語の使用に関して継続的な戦いというミッションがあるという。こうした活動の背景に、オーストラリア産プロセッコの存在があることも、関係者にはよく知られている。プロセッコの主要なブドウ品種を「プロセッコ」(現在は「グレーラ」に改称)と呼んでいた頃の名残とする豪州の生産者と、イタリアの原産地保護の戦いはいまだ継続されており、キャンペーンは必ずしも、知らしめ広めるばかりではなく、見守るという表裏一体の意義があるのだ。

 

 


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