シチリア島南端「グリエリ」 有機葡萄から生まれるピュアで溢れる果実感
シチリア島南端、世界遺産にも登録されている美しい街ラグーザの北にて、家族経営でユニークなワイン造りを行うグリエリ(GURRIERI)。輸入元アプレヴ・トレーディング は2022年秋にインポートを始めたことを機に、ソロイタリアが運営を行いプレゼンテーションディナーを開催した。
家族経営で有機葡萄から丁寧なワイン造り
グリエリ家はキアラモンテ・グルフィという小さな村で50年にわたって葡萄とオリーブの栽培を家族で行ってきた。2010年にはワインの生産とボトリングを開始。最新型の醸造設備を導入し、近代的な手法でワイン造りを始めた。父と母、息子ジョヴァンニと娘アンジェラの4人でワイン生産に励み、マッザローネに3.2ha、キアラモンテ・グルフィに3haの畑を所有。現在畑はすべて有機栽培に転換し、ネロ・ダーヴォラ、フラッパート、グリッロなどの土着品種を栽培している。
風通しのよい地中海性気候 赤土の混じる粘土石灰質土壌
葡萄畑は標高270~300mの丘陵地帯に広がり、土壌はネロ・ダーヴォラは葡萄栽培に適した白亜の石灰質と粘土質の混成土壌、フラッパートはそれに赤土が混じる土壌。乾燥した風が吹き抜ける地中海性気候で、昼夜の寒暖の差が大きいことから、ミネラル豊かな果実味と美しい酸のバランスに優れたエレガントなワインが生まれる。
黒葡萄から秀逸なスプマンテと白ワインを造るユニークさ
またグリエリの注目すべきは、ネロ・ダーヴォラとフラッパートの黒葡萄から、ブラン・ド・ノアールのスプマンテや白ワインを造ること。ユニークで自由な発想で素晴らしいワインを生み出している。年間6000本程度と少量生産ながら、ワインはラグーザ地方の豊かな自然と伝統を反映しており伸びやかでピュアな美味しさを備えていた。
当日は神田明神下みやびの和食とワインをマリアージュして楽しんだが、酸の美しさと過熟過ぎないピュアな果実感が繊細な和食にもとてもよく合っていた。
当日のワインとお料理をご紹介。
ヒック・エスト22 メトド・クラシコ・ブリュット
瓶内2次発酵を22カ月行う。ネロ・ダーヴォラとフラッパートの黒葡萄から造る白のスプマンテ。非常にフレッシュでリッチで厚みもあり、心地よい酸と繊細な果実の風味が長い余韻へと続く。8月下旬の明け方の涼しい時間に、葡萄を手摘みで収穫。色素が出ないようゆっくり慎重にプレスして造る。
グリッロ・シチリアDOC 2021
グリッロ100%。香り高くシトラスやハーブ、青りんごのニュアンスを感じさせるアロマ。柔らかい口当たり、爽やかな酸とミネラリティな余韻。甘鯛のかぶら蒸し、白子のポン酢にも好相性。
”ドンナ・グラツィア”ビアンコBIO
ネロ・ダヴォラ、フラッパートをブレンド。黒葡萄から造る白ワイン。とてもユニーク。淡いレモンイエローの色調、トロピカルフルーツや花のニュアンスのデリケートなアロマ。口に含むとレモンやライム、パッションフルーツのような、はっきりとしたフレーバーを感じ余韻がとても美しい。白身の刺身やお寿司にもぴったり。
フラッパート・テッレシチリアーネ IGT BIO 2020
フラッパート100%。フラッパートは少し透明感のある紫の色調と、チェリーやラズベリーのチャーミングな香りが特徴。時間とともにバラの花やブラックペッパーなどがまじりあった繊細な香りが現れる。口当たりは柔らかでフレッシュな酸とのバランスに優れる。
”ドン・ヴィチェ”チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアDOCG 2019
ネロ・ダヴォラ60%、フラッパート40%。収穫は熟度をしっかり見極めて9月の終わりから10月初めにかけて、気温の低い明け方に手摘みで行う。野生酵母で6カ月発酵・熟成。熟したチェリーやセージ、ユーカリなどのエレガントな香りが特徴。力強いタンニンと土のニュアンスも感じられ、ふたつの葡萄のキャラクターが見事な調和を見せている。合鴨をそば粉のガレットで包んでゆず味噌と食した料理、煮アナゴにもよく合っていた。
主催:GURRIERI
運営:SOLOITALIA
協賛:アプレヴ・トレーディング(株)